02_イタリア PFM

PFM / COOK

投稿日:

メンバー

  • Franco Mussida:guitar, vocal
  • Mauro Pagani:flute, piccolo, violin, vocal
  • Jan Patrick Djivas:bass, vocal
  • Flavio Premoli:keyboards, vocal
  • Franz Di Cioccio:drums, vocal

  1. Four Holes in the Ground 原始への回帰 7:26
  2. Dove…Quando… 何処…何時… 4:43
  3. Just Look Away 通りすぎる人々 8:47
  4. Celebration, Including “The World Became The World” セレブレイション 8:35
  5. Mr. Nine till Five ミスター9~5時 4:31
  6. Alta Loma Five Till Nine including PFM’s arrangement of Rossini’s “William Tell Overture” アルタ・ロマ5~9時 ~ウィリアム・テル序曲 15:52

レビュー

1974年5月に発表された5作目で、初のLIVE版になります。1974年8月に行われた、北米コンサートツアーから、トロントとニューヨークでのライブを録音した作品です。

1973年に世界デビューを果たし、イギリスでも注目までバンドは成長し、「次はアメリカだ!」という勢いをそのままパッケージングしたようなライブアルバムです。アメリカ版以外のタイトルは「COOK」で、アメリカ版のタイトルは「LIVE IN USA」とタイトルが分けられています。世界デビューしたバンドが国外でも評価され始めた際の全盛期の演奏が堪能できる必聴版です!

Four Holes in the Ground

アルバム「甦る世界」からの演奏です。冒頭の「READY?」、「Yeah!」の掛け声からドラムスティックのカウントが始まると、ハイスピード5拍子の超絶演奏が繰り広げられます。原曲ではどこか牧歌的な要素を感じられたイントロですが、ライブ盤ではシンセサイザーが前面に出ており、息を飲むような激しい演奏が展開されます。

驚くことに、これだけ難しい曲をハイスピードで演奏しているのにリズムが一切狂いません!フランツ・ディ・チョッチョの正確かつ激しいドラム、パトリック・シヴァスの艶やかで伸びのあるベースも素晴らしい。

高度な演奏は続きますが、メロトロンが加わることによって場面は急に幻想的になります。1曲目からPFMワールド全開です!

ヴォーカルパートではアルバム版と同様にフルート、メロトロンが寄り添い、美しい世界を表現しています。「静」と「動」を巧みに操りながら進行していきますが、「動」の部分に関してはスタジオ版の比較にならないほど激しく、躍動感のある演奏を堪能できます。私はスタジオ版より、こちらの音源の方がお気に入り。PFMの演奏能力の高さ、ドラマティックさなど、良いところずくめの1曲に仕上がっています。

Dove…Quando…

ファーストアルバム収録の同曲のパート1になります。アルバムには収録されていない、フラヴィオ・プレモリーによるエレクトリック・ピアノから曲がスタートします。

オリジナルではギターのアルペジオに乗せてヴォーカルが歌いますが、ライブではエレクトリック・ピアノが代替しています。曲中にギターが使われていないので、フランコ・ムッシーダは歌に専念しているのでしょうか。

フルートの音色がとても美しく、アルバムよりも自由に存在感を示しているように感じます。テクニックだけではないPFMを感じることができます。

Just Look Away

こちらも2曲目に続き、アルバムには収録されていない、フランコ・ムッシーダのクラシック・ギターのソロから始まります。ギター一本で強弱をつけて奏でる演奏はもう職人技。

ハモンドオルガンから曲が盛り上がる様はライブならでは。ベースも歌っています。本当に良い曲ですね。

Celebration, Including “The World Became The World”

曲が始まる前のフラヴィオ・プレモリーのエレクトリック・ピアノの手癖?による些細なフレーズからカッコ良いです。メインフレーズに入る前にギターのカッティングで観客を煽ります。CDで聴いていても気持ちが高揚する演出の仕方です。

メインフレーズ以降も安定の演奏で、難しいフレーズを難なく演奏していきます。所々に入るギターのカッティングが良いアクセント。曲中でフニクリ・フニクラを挟むお遊びを含めつつ進行し、ラストのドラムの激しいタム回しの後にはなんと「甦る世界」のサビ部分が飛び出します!その後も激しい盛り上がりを見せて幕を閉じます。ライブならではの曲展開も含め大満足の内容です!

Mr. Nine till Five

非常に難しい曲なのに「そんなのは関係ない!」と言わんばかりに、オリジナルよりも速い(体感的に1.3倍ほど)スピードで曲が始まります。フランツ・ディ・チョッチョのドラムは乱れることなく、ヴォーカルが入ってからも巧みなタム回しを見せ曲を盛り上げます。

他のパートも同様に一糸乱れぬ演奏を見せます。この曲をライブで再現するにも、オリジナル曲よりも速いテンポで演奏するのにも脱帽です。PFM恐るべし。

Alta Loma Five Till Nine including PFM’s arrangement of Rossini’s “William Tell Overture”

アルバム未収録曲です。この曲自体は他のライブでもお披露目しているので、お得意ナンバーといったところでしょうか。これまでのPFMでは珍しいジャズ要素を多分に含んだフリーフォーム調の曲です。

冷たいメロトロンを背景に、ブルジーなギター、エレクトリック・ピアノが覆いかぶさります。次第に曲はテンポアップしていき、リズム隊の演奏も熱を帯びてきます。ギターソロは相変わらず「さすが!」としか言いようのない演奏を見せます。テンポアップしようが、曲が激しくなろうがそれに合わせた素晴らしい演奏を見せます。リズム感の良さも特筆すべきではないでしょうか。

ギターソロがひと段落すると、序盤から影を潜めていた(登場していない?)マウロ・パガーニによるヴァイオリンソロに移り変わります。ギターソロも同様ですが、演奏のミスが見当たらない安定した演奏が続きます。

一旦ブレークを挟み、ピッキング・ベースによるリードにヴァイオリンが自由に羽ばたき、次第に各パートが盛り上がり始めます。フランツ・ディ・チョッチョによるスネア連打から力強くも美しいヴァイオリンソロ。曲の緩急の付け方が絶妙!

バンド演奏が止み、ヴァイオリンによる即興演奏から聴いたことのあるリズムが飛び出し、いつの間にか曲は「ウィリアム・テル序曲」へ。リードはモーグ・シンセサイザー。ハイテンポながらリズムが狂うこともなく、更にはフランツ・ディ・チョッチョのスネア連打でグルーヴ感もバッチリ。勢いそのままエンディングを迎えます。

 

PFMの細部まで作りこまれたスタジオアルバムの曲の良さをベースに、ライブならではのアレンジ、力強さも組み合わさった超名盤。「演奏の上手いミュージシャンが素晴らしい作品を脂ののった時期に演奏するとこうなる」のお手本のような作品。しかも音質も非常によく、リアルな音が堪能できます。プログレッシブロックのライブ名盤と言えばYESのYESSONGSやGENTLE GIANTのPLAYING THE FOOL、MAGMAのLIVEなどが挙げられますが、それらの作品に並ぶ出来栄えと、褒めだしたらキリがないアルバムです。

個人的にはFour Holes in the Groundが非常にお気に入り。初めて聴いた時の衝撃は未だによく覚えているのですが、あの5拍子フレーズを高速かつ正確に演奏し、さらにダイナミックさまであるのですから…PFM全盛の頃に持てるテクニックを惜しむことなく注ぎ込まれた奇跡の演奏がパッケージングされ世に出たことに喜びを覚えます!「LIVEアルバムは音質が悪いし、スタジオ版より演奏が劣るから好きじゃない」とお思いの方、是非このアルバムを聴いてください!

-02_イタリア, PFM

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

PFM / PHOTOS OF GHOSTS(幻の映像)

メンバー Franco Mussida:guitar, vocal Mauro Pagani:flute, piccolo, violin, vocal Giorgio Piazza:bass, vo …

PFM / Storia Di Un Minuto(幻想物語)

メンバー Franco Mussida:guitar, vocal Mauro Pagani:flute, piccolo, violin, vocal Giorgio Piazza:bass, vo …

PFM / L’ISOLA DI NIENTE (甦る世界)

  メンバー Franco Mussida:guitar, vocal Mauro Pagani:flute, piccolo, violin, vocal Jan Patrick Djiv …

PFM / Per Un Amico(友よ)

メンバー Franco Mussida:guitar, vocal Mauro Pagani:flute, piccolo, violin, vocal Giorgio Piazza:bass, vo …

PFM / THE WORLD BECAME THE WORLD (甦る世界)

メンバー Franco Mussida:guitar, vocal Mauro Pagani:flute, piccolo, violin, vocal Jan Patrick Djivas:bass …