BANCO DEL MUTUO SOCCORSO

BANCO DEL MUTUO SOCCORSO

投稿日:2018年12月30日 更新日:

バンド概要

イタリアで1969年代後半に鍵盤を担当するノツェンツィ兄弟を中心に結成されたバンド、BANCO DEL MUTUO SOCCORSO(バンコ・デル・ムッツオ・ソッコルソ)です。

オペラのような歌唱法のジャコモおじさんによる歌と、ノツェンツィ兄弟によるツインキーボード(ヴィットリオがオルガン、シンセサイザー担当、ジャンニがピアノ担当)によるクラシカルにもへヴィーにもなる変幻自在なサウンドが特徴的なバンドです。

1975年には世界デビューも果たし、PFMと共にイタリアを代表するプログレッシブロックバンドです。

世界デビューを果たすまでに発表した初期3作が一般的に認知度が高く、BANCO未聴の方にもおススメできるアルバムかと思います(個人的には2、3作目と世界デビュー盤がおススメです)。

アルバムレビュー

BANCO DEL MUTUO SOCCORSO(1972)

Francesco Di Giacomo:Vocal
Vittorio Nocenzi:Organ, Synthesizer, Clarinet, Vocal
Gianni Nocenzi:Piano, Flute ,Vocal
Marcello Todaro:Guitar, Vocal
Pierluigi Calderoni:Drums

バンド名をそのままアルバム名に使ったファーストアルバムです。オルガンやシンセサイザーに加えハードなギターとELPのような荒々しいドラミングが前面に出ているハードな演奏と、ピアノをメインに置いたクラシカルかつドラマティックな演奏が堪能できるアルバムです。

ファーストアルバムながらバンドの音の方向性は明確になっている印象で、勢いよくたたみかけるような演奏による「動」の部分と、ピアノによるクラシカルな演奏による「静」の落差を意識しているような曲作りをしていると思います。

ファーストアルバムだからなのか、意図的な曲作りなのかはわかりませんが、ドタバタ感があります。音作りやアプローチなど、古臭さを感じる部分があり、若干好き嫌いが分かれそうです(この古臭さは3作目では全く感じなくなります)。

私はこの古臭さがあまり好きになれず、ファーストアルバムは若干苦手な部類かもしれません(それでも結構聴いていますが)。後に発表される世界デビュー盤に本アルバムから2曲が入っているのですが、2曲とも再録音されており、音が洗練されているのを知っているからなおさらそう感じるのかもしれません。

また、本アルバムと世界デビュー盤両方に収録されている「Metamorfosi」のアレンジですが、両方を聴き比べるとどうしても世界デビュー盤の方に軍配が上がるように思います。本アルバムでは、中盤のピアノソロのなど、世界デビュー盤に比べると中途半端な仕上がりのように思う部分があります。それだけ世界デビュー盤の完成度が高いという見方もできるのですが、聴く人の好みが分かれそうな所です。

もう一つ、ヴォーカルのジャコモおじさんの歌唱法も好き嫌いが分かれるポイントかもしれません。このバンドの特徴である、オペラのような歌唱法ですが、正直本当のオペラには程遠い歌唱力かと思っています。。。ただし、この歌声や歌唱法がBANCOの音楽にマッチしているのは間違いなく、「有り」か「無し」かで言うと「有り」だと思っています。きっと、ジャコモおじさん以外のヴォーカルだと大分バンドの印象が変わってしまうのではないでしょうか。

個人的には2作目、3作目が非常に好きなアルバムで、本作はそれの前段階(バンドの成長段階)のような位置づけです。

※おまけ
プログレッシブロックの作品は、ジャケットも作品の一部という考えで非常に凝ったジャケットが多くあります(この時代全般的な傾向かもしれませんが)。BANCOのファーストアルバムは、凝ったジャケットの中でも特に印象的なジャケットです。

上記はBANCOファーストのLPを発売当初の通り忠実に再現した復刻版LP(2007/10/10に発売されたBMGイタリアン・ロック復刻アナログコレクション)です。アルバムジャケットは壺の形をかたどったものなのですが、以下の画像のように上部の円形部分にLPが入っている作りとなっています!通常の四角いジャケットとは全く異なる、超変形ジャケットです。
ジャケットを開いたイメージが上記画像。 こちらはジャケット上部の矢印の部分を上に引くとメンバー6人の顔が見えるというギミック!(下側の部分が輪ゴムでジャケットに固定されていましたが、今回撮影にあたり引っ張ったところ、輪ゴムが切れてしまいました・・・)
2000年代あたりからプログレッシブロックのみならず、過去のLPの作品を紙ジャケットで再発する動きがありました。その際、このBANCOのファーストなどを筆頭に、CDジャケットでは表現しきれなかったジャケットが丁寧に紙ジャケットで再現されました。これらの作品は初回限定生産のものがほとんどで、今となってはCDショップの新品ではあまりお目にかかることはできなくなっています。
変形ジャケットがどのように作られているのか(当時のLPで発売された作品のジャケットがどのようなものだったのか)を知るために紙ジャケットは非常にありがたいものです。気になった方は、大手中古CDショップやネット、オークションサイトで探してみると見つかる可能性がありますので、是非チェックしてみてください!

-BANCO DEL MUTUO SOCCORSO

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